2009年03月11日

ミックス犬というブランド

最近流行っているミックス犬という新たなブランドを皆さんは知っていますか?

某テレビ局の動物番組で時々やっている「この子の両親何犬?」というクイズ。何匹かの子犬を見てゲストが母犬、父犬の犬種を当てるというクイズ。あれを見ると、いつも悲しくなる。
メディアの影響力は絶大なもの。それを見た視聴者がミックス犬を見てカワイイと思う。カワイイと思ったからペットショップに出向く。
確かに子犬はカワイイ。だけど、純血種と違ってミックス犬は成長した後の姿が想像できない。「そこがイイんです」と以前何かのインタビューで答えてた人がいた。いや、ギャンブルじゃないんだからさ。
もし、自分が思っていた顔と違っていたら?こんなに大きくなるハズじゃなかったなんて事になったら??
それでも責任を持って飼う人もいるだろう。反面、捨ててしまう人もいるだろう。

以前、液晶テレビのCMで女優さんが抱いていた白い子犬が話題になった事があるのを知っている人はどのくらいいるでしょうか。
チワワとダックスのミックス犬、通称「チワックス」という子犬。
それを見てチワックスが欲しいと思った人も確実にいるはず。
思えば、その辺りからミックス犬ブームが到来したように思う。
一部の人が立ち上がって、ミックス犬作りを助長させないようにとメーカーに訴え、その後CMは放映されなくなりました。

ハーフ犬やミックス犬と言えば聞こえはいいけれど、実際は雑種なんです。
どうして、ミックス犬という新たなブランドを確立させようとしているのか。
ミックス犬がブームになれば、そこに乗っかる人はたくさんいます。
欲しいと思う人がいれば、わざわざ異種交配させてミックス犬を作ろうとする業者がたくさん出てきます。
そうするとどうなるか。
守られてきた純血種の血が、荒らされてしまう。
昔からいた「雑種」という個体は、とても強いんです。
何故か。
野生で生きていた時代から、強い遺伝子ばかりが受け継がれてきたから。野生では強い固体しか生きられないから。だから雑種の長寿率はものすごく高い。
だけど、新たに作られたミックス犬という個体。
ブランド犬同士、もちろんいい部分も受け継がれるけれど悪い部分も受け継がれます。
例えば、一頭の母犬が5頭の子犬を産みました。もちろん父親は違う犬種。
5頭の内3頭は優性遺伝で比較的強い子犬でした。
残りの2頭は残念ながら悪い部分を受け継いでしまい、遺伝的疾患や生涯を生まれながらにして背負ってしまいました。
そうするとどうなるか。
売り物にならない個体は処分されます。
人間の欲の為に作り出され、売り物にならないと処分される。
同じ母犬から生まれた同じ命なのに。

犬には両親の姿も自分の姿も何も関係ありません。
あるのは人間の「珍しい犬を飼っている」という見栄だけ。
たったそれだけの為に、どれだけの不幸な命が生まれては処分されているのか、どうして知ろうとしないんでしょうか。
前に出したCMのチワックスだってそう。
本来チワワもダックスも真っ白な個体なんてあり得ないんです。
ダックスの毛色の「ダップル」という種類だって、本来ならあり得ないんです。白い毛が混じることは突然変異なんです。
突然変異で生まれた子は、障害を持って生まれてくる子が少なからずいます。
なのに、何も知らないブーム大好きの見栄っ張りな人間が、「もっと白いダックスが欲しい」と言う。
それを聞いた繁殖業者は白い部分が多いダックス同士を掛け合わせる。
でも、そんなに多く白い個体はいないもんだから、最悪の場合近親間で掛け合わせる。
絶対やってはいけないタブーを犯すんです。
近親交配の末生まれた子犬、生まれつき目が見えなかったり耳が聞こえなかったり、5体満足で生まれてこなかったり。
そういう実態を知っている人はどのくらいいるでしょう?

そしてもし、また純血種ブームが来た場合、一時期持てはやされたミックス犬はどうなるでしょう?
ハスキーブームの二の舞になるのでしょうか?

どうして純血種を守れないのでしょうか。
私は「ゴールデンレトリバー」という犬種を心から愛しています。
ユキとカイ、まだ2頭のゴルとしか暮らしていませんが、もし今後新たに家族を迎える事があったとしたら、きっとまたゴルを選びます。
雑種を否定するつもりもないし、ブランド犬を肯定する気もありません。
ただ純粋にゴルの魅力にハマってしまっただけ。
だから、ゴルの血が汚される事は本当に悲しい。
ユキもカイも、子犬を産ませようと思った事はあります。
でもユキは大のオス犬嫌い。無理強いして生ませる事は絶対おかしい。
カイは心臓と股関節に問題があるのに交配は出来ません。
遺伝疾患を持った子が少しでもいなくなるように。

そしてよく間違われる「血統書」つきという言葉。
「血統書があるからいい犬」って勘違いしている人。
血統書はその名の通り、ただ血筋が解っているだけの事。言うならば家計図。ただそれだけの事。
チャンピオンの子だから賢いと思っているおバカな人。
チャンピオンの子はあくまで親がチャンピオンなだけで、チャンピオンの素質を持っているというだけの話。
しかも、それは頭の話なんかじゃなく、体格がスタンダードに近いというだけの話。
カイは父がチャンピオンだけど、きっと7頭の兄弟の内の一番劣性遺伝で生まれた子(だと思う)。
体格はスタンダードに程遠いし歯並びだって悪いし股関節も悪いしおまけに内股。
ショーに出したって、絶対チャンピオンになんかなれない子。
でも、私にとっては何より一番の存在。
そんなカイとはペットショップで出会いました。
ユキもそうです。そんな自分が言うのも変だけど、私はペットショップでの生体販売は反対です。
ショーケースに並んでいる子犬や子猫たちの両親が、どんな環境で生活しているか、考えた事ありますか?

ちゃんと犬たちの事を考えたブリーダーさんもいるでしょう。
でも「繁殖屋」と呼ばれる業者の中にはひどい人もたくさんいます。
金儲けの商売道具。命なのに物としか見ていない人たち。
私は以前、ペットショップで働いていました。
生体販売やトリマーではなく、繁殖犬たちの世話をしていました。
犬種も様々、数は100頭以上いました。
大型犬は外飼いはオスとメスを分け、まとめてコンクリートの囲いの中に入れられていました。
小型犬はプレハブの中に所狭しと並べられたケージの中に、1匹もしくは2匹ずつ入れられていました。
私の仕事は、小屋を掃除しエサをやり、水をあげる事。
犬たちが小屋から出られるのは、掃除をしているわずか数分の間だけでした。
エサも水も一日一回。夏場、エアコンすら効かないプレハブの中で、水すら自由に飲めない環境。
私ですら、2ℓのペットボトルを3本、余裕で飲み干せるぐらいの暑さなのに。
ご飯だってホントに少しの量を一日一回だけ。可愛そうだからと、多めにあげると、オーナーに「経費がかかるから」と怒られました。

ある日、数匹のチワワが突然いなくなりました。
オーナーに「何処へ行ったんですか?」って聞くと、「もう子供産めへんくなったからな…」と言われました。
その後、チワワたちがどうなったか。誰かに譲ったのか処分されたのか…それ以上は恐くて聞けませんでした。
またある日、バリケンを掃除している最中にラブラドールが子犬を産みました。
内一匹は死産でした。母犬は死んでいる事に気付かずに必死で舐め続けました。やがて、母犬は諦め、生きている子達にお乳をあげました。
死産だった子犬は、ゴミとして捨てられました。
私はてっきり、火葬などちゃんと埋葬したりしてくれると思っていたのに。
黒ラブの「バクちゃん」と呼ばれていた子は、子犬を産み、その子供を取り上げられたショックで鬱病になりました。
ご飯もロクに食べられず、普通に歩く事さえ出来なくなりました。
必死で世話しました。ご飯もふやかして、手から無理やり食べさせました。
なのにある日、狭いバリケンの中で首の骨を折って亡くなってしまいました。
そこにいる子たちは、大型犬なのにとても小さかった。
狭いバリケンの中で、運動も出来ず、ご飯すら規定量を与えられず、成長が止まってしまったかのように小さいままでした。
何度もショーで優勝した事のあるチャンピオン犬も何頭かいました。
ゴールデンにラブ、さすがに体格は立派だけど、ショーに行っている間以外、明らかに体のサイズに合っていないバリケンの中で一日を過ごしていました。
それを知らないメス犬の飼い主さんたちがチャンピオンの子が欲しいとお金を払って交配させに来ます。
嫌がるメス犬を無理矢理押さえつけて。
そこまでして産ませる必要が何処にあるのかと、ずっと思っていました。
繁殖犬のメス犬たちも、ヒートが来るたびに子犬を産ませられるので、お乳は垂れ下がったままでした。
そこでの仕事はとても辛く、耐えられなくなったので辞めてしまったけど、辞める前は全ての子たちの写真を撮りました。
今でも全員の名前が言えます。
辞めてからしばらくして、外飼いだった大型犬たちの何頭かが伝染病で亡くなったと聞きました。
伝染病だって、ちゃんとワクチンを打っていたら防げたのに。。

繁殖業者が全てこういう所かと言われたら、全部は知りません。
でも、こういう環境で生まれた子がいる事は事実です。
だからペットショップでの生体販売は反対です。
そこでの需要がある限り、過酷な生活を強いられる犬たちが絶対に減りません。

もっと「犬を飼う」という事に、ちゃんとした法律があればいいのに。
アメリカのようにアニマルポリスという存在があればいいのに。
純血種の血を守り、人間の欲だけで生み出されるブームという名のエゴを無くし、無情にも処分されてしまう不幸な命を一頭でも多く減らせるように。

先週某動物番組(冒頭に書いた内容の)を見て、ずっとモヤモヤしていたので、思わず書いてしまいました。
あくまでも個人的な意見です。賛成意見も反対意見もあるかと思います。
少しでも賛同して頂ける方、もし周りに「ペットブーム」に乗せられている人がいたら、こんな実情もあるんだよと伝えていただければ幸いかなと思います。

犬たちの、純粋で無垢な笑顔を守れますように。

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ニックネーム たぶぇもん at 22:50| Comment(11) | TrackBack(1) | たぶぇもん日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする